クリッカートレーニング 犬のしつけ方とクリッカーの使い方

近年、愛犬のしつけやトレーニングにクリッカーを使う人が以前にも増して増えている。いや、そんなの初めて聞いたよ」という方のために、クリッカートレーニングの基本についてのお話です。
 
＜目次＞
愛犬とクリッカートレーニングを始める前に
クリッカートレーニングは犬に正の強化を与える
 

愛犬とクリッカートレーニングを始める前に

クリッカーはあなたの手にフィットします。カチッ」という音で愛犬に合図を送る
 
クリッカーとは、上の写真のような小さなトレーニング用具です。指で押すと「カチッ」という独特の音が鳴り、その音で犬をしつける。

もともとはイルカのしつけに使われていた方法ですが、犬のしつけにも応用されるようになり、徐々に注目されるようになりました。

どのように使うのですか？　やみくもに使っても良い結果は得られません。ある程度、根底にある理論を理解することで、スムーズにトレーニングができるようになります。

「理論」というと、なんだか難しそうなトレーニング方法のように聞こえるかもしれませんが、簡単に言うと、犬が正しい行動や望ましい行動をしたときに、クリッカーを鳴らして「はいはい、いいことだね」と犬に伝える。

つまり、犬が望ましい行動を示すたびにクリッカーに慣れさせ、それを繰り返して正しい行動（望ましい行動につながる）を強化するのです。

なぜクリッカーの音をトレーニングの合図として使えるのか？　犬はまず、クリッカーの音を聞くと良いことが起こると学習するからです。

クリッカートレーニングでは、実際のトレーニングの前に、犬がクリッカーに慣れたらすぐに（ほぼ同時に）ご褒美を与えることから始め、クリッカーの音を聞いたらすぐにご褒美がもらえる（良いことが起こる）と学習させます。

こうすることで、クリッカーの音が犬にとって特別な音／合図になる。これができたら、飲み込みやフセなどのトレーニングに移ります。

クリッカーを買って使ってみたものの、なかなかトレーニングがうまくいかないという話を時々聞きます。
 
クリッカートレーニングは犬に正の強化を与えます。

クリッカートレーニングは、犬をはじめ多くの動物のしつけに使えます。

専門用語で「正の強化」と言いますが、これは犬がある行動に対して何らかの刺激を受けることで、その行動が増えることを意味します。

例えば、犬がスワットをする（行動）→おやつをもらう（刺激）→犬がおやつを欲しがる→スワットの回数が増える、というように。クリッカートレーニングでは、まさにこの「正の強化」を使ってトレーニングを行います。

この「正の強化」の反対は「負の強化」です。例えば、見知らぬ人が犬を撫でようとすると、犬は見知らぬ人に向かって唸る（行動）、見知らぬ人は怖がって去っていく（刺激）、犬はそれを気持ちよく感じるので、見知らぬ人が近づいてくると、犬は次第に見知らぬ人に向かって唸るようになる。

犬は行動に対して何らかの刺激を受けると、その行動を学習する。つまり、悪い習慣を植え付け、良い行動を高めることができるのだ。

クリッカートレーニングは、クリッカーの音で犬の行動の良い面だけを認識させることで、叱らずにいろいろなことを教えることができる。使い慣れれば、きっとその奥深さを実感できるはずです。

クリッカートレーニングについてもっと詳しく知りたい方は、クリッカートレーニングの実際の方法の記事をご覧ください。