ここ5年ほどの間にシニア期の愛犬が徐々に増えてきたことで、愛犬が老犬になった時のことを真剣に考えなければならない・・・ということを再認識させられました。では、いつかはやってくる愛犬のシニア期に向けて、私たちはどのようなことに気をつければいいのでしょうか。
<目次>
愛犬がシニア犬と呼ばれるようになるのはいつから?
犬の老化のサイン<視覚
犬の老化のサイン<聴覚
犬の老化のサイン<食欲
犬の老化のサイン<排尿・排便
犬の老化<睡眠
犬の老化<体の変化
犬の老化<皮膚と被毛の変化
犬の老化のサイン<行動と動作
犬の老化<やる気
寂しさと現実
シニア犬の健康維持のために生活環境を見直す
愛犬に合ったシニア食で健康を維持する
ふれあいや適度な運動で刺激を与える
若いころの生活がシニア期に影響する
愛犬がシニア犬になるのはいつ?
一般的に、老化は4~5歳をピークに、小型犬で約11年、中型犬で約9年、大型犬で約7年、超大型犬で約5~6年と加速していきます。人間と比べると、これは非常に早い。
しかし、この年齢になってもいつまでも若いままの犬もいれば、早くからシニアの兆候が見られる犬もいる。しかし、飼い主としては、シニア期に入った愛犬の年齢に気を配ってあげたいものです。
愛犬がシニア期までできるだけ健康でいるための秘訣のひとつは、老化のサインにできるだけ早く気づくことです。
では、老化のサインにはどのようなものがあるのでしょうか?主なサインを以下に挙げます。
ただし、これらのサインがあるからといって、必ずしも老化が原因とは限らないことに注意してください。病気やケガが隠れている可能性もありますので、異変を感じたら動物病院で検査を受けることをおすすめします。
犬の老化のサイン<視力
目が白くなる
動くものに素早く反応できない。
目をこする。
特に薄暗い場所で、物にぶつかる。
段差や階段の上り下りをためらったり、怖がったりする。
犬の老化のサイン<聴覚
大きな音や来客にあまり反応しない。
名前を呼んでも気づかない。
耳をよく動かして音を拾おうとする。
犬の老化現象<食欲
食べ物に執着する。
逆に食べ物に興味がなくなる。
食欲が異常に旺盛になる。
逆に食欲がない。
食べる気はあるが、うまく食べられない。
硬いものが食べられない。
犬の老化のサイン(排尿・排便)
トイレの回数が減る、または増える。
オシッコやウンチの量が減ったり増えたりする。
オシッコやウンチの量が減ったり増えたりする。
おしっこやうんちをしようとするが、出せない。
オシッコの色が濃くなったり、ウンチの形が細くなったりする。
便秘。 便秘など。
犬の老化のサイン<睡眠
シニア犬の睡眠
高齢になると睡眠時間が長くなる傾向がありますが、何らかの病気や痛みで眠るケースもあります。
眠ることはよくあります。
寝ているときに起こすと反応が鈍い。
突然起こされた場合、瞬膜(眼球を覆う白い膜)の戻りが遅い。
寝る場所の好みが変わった。
昼夜が逆転し、吠えたり、鳴いたり、歩き回ったりする。
犬の老化のサイン(身体的変化)
体力が低下する。
病気にかかりやすくなる。
交尾能力の低下。
後ろ足の幅が狭くなる(後ろから見た場合)。
犬の老化のサイン(皮膚と被毛の変化)
人間と同じように白髪が増える。
被毛が薄くなり、伸びなくなる。
皮膚にハリがなくなり、フケが目立つようになる。
皮膚トラブルが起こりやすくなる。
被毛や鼻の色が薄くなる。
犬の老化のサイン<行動と動作
疲れやすく、あまり運動したがらない。
動きが鈍くなる。
走ることが少なくなる。
頭と尾を下げてゆっくり歩く。
立ち上がるのに時間がかかる。
つま先がずるずるしている。
階段や段差の上り下りが困難またはできない。
体や足が震える。
犬の老化のサイン(意欲)
散歩や遊びをあまり喜ばなくなった。最初は遊んでくれるが、すぐに飽きてしまう。
他の犬や物にあまり興味を示さない。
表情が乏しい。
触られるのを嫌がる。
寂しいが、現実を受け入れるしかない。
老いはいつかやってくる。
若いうちから愛犬を大切にすることが大切です。
愛犬を見ていると、いつまでも若々しく元気だと思っていても、ある日、愛犬の老いを感じたとき、飼い主としてはとても寂しい気持ちになります。しかし、生き物である以上、それは仕方のないこと。
寂しさを感じたら、「大好きだよ」とぎゅっと抱きしめて現実を受け止めるしかない。愛犬と長く暮らせたことは幸せなことですから、シニア期には「ありがとう」をたくさん言ってあげたいものです。
そこから先は、どうすれば健康を維持・増進できるのか、どうすれば少しでも快適に過ごせるのか、飼い主さんの心がけ次第です。
シニア犬の健康維持のために、生活環境を見直しましょう。
高齢になると、今までできていた簡単なことができなくなることがあります。例えば、段差や階段の上り下りなどです。
足腰が弱った犬がソファに登ろうとして失敗し、思わぬケガをするケースもある。そのような場合は、階段やスロープをソファの支えにしたり、クッションを何枚か重ねて階段状にするなどして、昇れなくなった人を少しでも助けてあげるとよいでしょう。
この場合、利用者のつま先が階段やスロープに引っかかって転倒したり滑ったりしないよう、段差の材質や高さ、角度に注意することが大切です。
視力が低下していたり、転びやすい体質の場合は、ケガをしそうな危険を取り除き、部屋を片付けておく必要があります。ただし、視力に問題がある場合は、犬は記憶や習慣で歩いているため、家具の配置を大きく変えると犬が混乱する可能性があるので、家具の配置換えは必要な場所だけにとどめたほうがよい。
また、老犬の多くは関節炎を患っていると言われている。滑りにくい床が犬の足腰に良いことは広く知られるようになったが、実際にその対策がなされている家庭は多くない。関節炎の発症や悪化を防ぐためにも、床材対策をしていない場合は、滑り止めマットを敷くなどの対策をしましょう。
さらに、愛犬の寝床も再確認しておきましょう。高齢になると体温調節がうまくできなくなり、暑すぎたり寒すぎたりすると動くのが面倒でそのまま寝てしまうことがあります。
このように、シニア期には住環境を見直し、改善していく必要がある。
愛犬に合ったシニア食で健康維持
人間と同じように、犬もシニアになると必要な栄養が変わり、食べ物の好みも変わってきます。ガイドの愛犬の場合、12~13歳になった頃、それまで見向きもしなかったミカンを欲しがるようになりました。ご存知のように、犬はビタミンCを生合成することができるが、加齢とともにその機能は低下する。しかし、加齢とともにその能力も低下していくので、これは体の要求に違いないとガイドは考えた。
犬の食の好みが変わるときは、何らかの栄養素が足りていないサインかもしれない。それらを考慮しつつ、シニア期の食事にも気を配りたい。
シニア犬の食事で考慮すべき点は以下の通りです。
タンパク質の消化吸収能力が低下するので、良質なタンパク質を与える。また、シニア犬では筋肉量も低下します。筋肉を作るにはアミノ酸が必要なので(タンパク質はアミノ酸の集合体)、できるだけ良質なタンパク質を与えましょう。
また、内臓の働きも低下し、便秘になりやすくなりますので、食物繊維を適量与えましょう。ちなみに、便通が悪いときは、手のひらでお腹を時計回りになでると、消化管の蠕動運動が活発になる。
脂肪の与えすぎに注意 脂肪の与えすぎは肝臓に負担をかける。ただし、必須脂肪酸を奪ってはいけない。
消化能力が低下するので、消化の良いものを与える。犬の健康状態や歯の状態にもよるが、ドライフードを与えている場合は、お湯でふやかすなどの工夫をする。場合によっては、1日2回の食事を3回にするなど、小分けにして与える回数を増やす。
十分なカルシウムは骨粗鬆症を予防します。与えすぎると内臓にカルシウムが沈着することがあるので注意が必要です。
食欲が減退することがあるので、スープなど好物を加えて食欲増進に努める。
ふれあいや適度な運動で刺激を与える。
無理のない範囲で適度な散歩をする。
愛犬が高齢になると、「もう年だから、無理させないようにあまりかまってあげないようにしよう」「家族から離れて静かに寝かせてあげよう」と思うかもしれません。家族から離れて静かに寝かせよう。散歩もあまりさせなくていいのか?" と思うかもしれないが、それは逆である。
確かに、愛犬に余計なストレスを与えないよう、安心して眠れる場所や生活環境を整えてあげることは大切です。また、愛犬がひとりで寝たがるのであれば、そうさせてあげるのが一番です。ただし、それだけでは老化を早めてしまう可能性があります。
適度なふれあいと適度な刺激が、心も体も健康に保ってくれます。シニア犬はしつこくされるのを嫌がるかもしれませんが、愛犬から目を離さず、たくさん話しかけ、撫でて、抱きしめて、風を感じながら一緒に散歩するのが一番です。
食欲が減退している状態でも、お気に入りの公園で、お気に入りの犬友と一緒にいるだけで、愛犬の食欲は復活する。ガイドの愛犬がまさにそうだった。
また、犬の五感のうち、嗅覚は最後に残ると言われている。走れなくなっても、匂いを嗅ぐことで脳に刺激を与えることができるので、ちょっとした宝探しゲームや軽い散歩、運動はおすすめだ。
若いころの生活がシニア期に影響する
愛犬の老化を感じ、慌てて対策を講じる人がいるが、思うような効果が得られない。彼らが言いたいのは、老化への歯車はこの世に生まれた瞬間からすでに動き始めているということだ。
肥満になれば、やがて高齢期に影響が出る。過度の運動はいずれ関節に負担をかける。食事も同様だ。若い頃の生活習慣がシニア期に反映されます。
まだまだ先だと思っていても、犬の一生は私たちに比べて短い。彼らの "時間 "は私たちよりもずっと早く過ぎていきます。犬が長生きする時代だからこそ、私たちは愛犬と過ごす一瞬一瞬を大切にし、子犬の頃からしっかりとケアをして、シニア期を元気に過ごさせてあげたいものです。